理事長ご挨拶

植木 俊哉

 2020年5月23日に開催されました世界法学会役員会で理事長に選出され、3年間世界法学会の運営に携わることとなりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本年5月に予定されていた研究大会の開催が中止を余儀なくされるなど先行きが見通せない状況ではございますが、桐山前理事長はじめ多くの先生方が心血を注いで築いてきた本学会の発展のため全力を尽くす所存でございますので、会員の皆様にはご支援とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 世界法学会の歴史は、1965年に発足した世界法研究会に遡ります。第2次世界大戦の惨禍と核兵器の使用、国際連合の創設といった国際社会の動きを踏まえ、世界連邦運動が第2次世界大戦後に盛んになりましたが、世界法研究会は世界連邦運動の理論的基礎を探究することを目的として発足いたしました。その後、1976年に世界法研究会は世界法学会に改組されて正式に学会としてスタートし、毎年研究大会を開催するとともに、1986年以降は毎年『世界法年報』を刊行してまいりました。

 2020年は、第2次世界大戦終結と国際連合発足75周年、世界法研究会発足55年を迎えます。また、2021年には、世界法学会も改組45周年を迎えることとなります。第2次世界大戦終結と国際連合発足から4分の3世紀という時の流れと国際社会の構造変化の中で、世界連邦運動や「世界法」という理念を現在どのように捉えるべきか、われわれが探究すべき理論的及び実践的課題はますます重要性を増しているものと理解できます。

 世界法学会は、歴代の理事長、役員、運営委員、各主任や各委員会の委員、事務局の皆様など、多くの会員の方々のご尽力によりこれまで順調に発展を遂げてまいりました。今後とも本学会が会員の皆様にとって有意義な学問的探究の場となりますよう引き続き努力を重ねてまいりたいと存じます。会員の皆様には、よろしくご指導ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。